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平昌オリンピックがいよいよ始まりました。
今回のオリンピックは北朝鮮が参加したことでも話題になりました。

開会式では統一旗を振りながら、韓国と北朝鮮の選手が入場してきました。
では、北朝鮮はなぜ参加したのでしょうか?
その理由は何なのでしょうか?
また、今後の狙いや真相は?
そのあたりを紹介したいと思います。
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目次
平昌オリンピックの北朝鮮参加と韓国の譲歩!

兵器開発を継続している北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長。
なぜ、北朝鮮は韓国の平昌オリンピックに参加したのでしょうか?
その理由は、国際的圧力をかわしながら、核兵器を温存するために平昌オリンピックを利用しようとしているのでしょう。
そのために韓国側に仕掛けているように思えますね。
経緯を整理してみましょう。
まず、金正恩は2018年1月1日、朝鮮半島の緊張緩和を呼びかけました。
具体的には、平昌オリンピックに選手団を派遣するための用意があることを発表したんです。
その発表を受けて、韓国政府側も国際的に孤立を続ける北朝鮮との対話を再開したんです。
ナゼでしょうか?
それは、さらなる核・ミサイル開発によりオリンピック開催を邪魔されないように手を打ったんです。
ですから北朝鮮のオリンピック参加を認めたんですね。
この時点で北朝鮮と韓国の思惑にズレがありました。
韓国政府は、北朝鮮が平昌オリンピックに参加することで「朝鮮半島、北東アジア、世界の平和実現への足掛かりになる」としています。
そして、南北和解への期待を前面に出し「平和のオリンピック」になるはずとしています。
しかしこれはあまりにも北朝鮮を善意に見過ぎている、眉唾物だ、と批判されていますね。
また韓国側に仕掛けていることのもう一つは、オリンピックに参加することで「韓国と米国政府のあいだに溝を作る意図がある」とも言われています。
現在、アメリカは積極的に北朝鮮への圧力を強めるよう各国に呼び掛けています。
そんな中で、韓国政府が北朝鮮のオリンピック参加を認めて、譲歩的立場をとるとアメリカ政府は面白くないですよね。
ハッキリ言ってしまえば、脅威を一番受けている韓国が、積極的に圧力をかけようとしているアメリカに非協力的だと思われても仕方ないですよね。
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平昌オリンピック前日に軍事パレードをした真相は?

なぜ、オリンピック開幕前日に、北朝鮮は軍事パレードを行ったのでしょうか?
北朝鮮が行った大規模な軍事パレードは、数カ月前から計画されていたようです。
韓国の情報機関・国際情報院の報告によって明らかになりました。
今回の軍事パレードは、朝鮮人民軍創建70周年を祝う記念行事だったんです。
北朝鮮は当初2月8日を軍創建日としていました。
しかし、1978年以降、金日成主席が「抗日パルチザン」を結成した1932年4月25日を記念日として祝うようになりました。
それからは、北朝鮮は両日を記念日としていましたが、1978年以降は2月8日は重要な祝日としてみなしていませんでした。
しかし、米国務省で北朝鮮分析を担当したロバート・カーリンによりますと、金正恩朝鮮労働党委員長は2015年に記念日を2月8日戻したというのです。
つまり、金政権は重要な記念日には大規模な祝賀パレードを行う傾向があるとの見方なんですね。
つまりオリンピック開催前日にこだわって開催したのではないので、今回の開催自体に意外性はないとのことです。
オリンピック開幕式当日、韓国・北朝鮮の選手が北朝鮮半島を描いた「統一旗」を掲げて合同行進をしました。
しかし、偶然にしてもオリンピック前日に核・ミサイル開発の成果を結果的に誇示したような形になりました。
1950~1953年の朝鮮戦争で、韓国に侵略した朝鮮民族をたたえる軍事パレードが決行されました。
北朝鮮の動きは、南北の和平実現に向けた課題を浮き彫りにしたようです。
つまり北朝鮮側は、一時的に国際的な圧力を緩和する目的はあるでしょう。
しかし、現在の対立関係に終止符を打ち、核・兵器開発を中止するつもりはさらさらないと言えるのではないでしょうか?
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安倍首相が金永南と握手した影響は?

2月9日午後、安倍首相は平昌冬季五輪開会式出席のため韓国にいました。
その最中、韓国大統領・文在寅主催の五輪歓迎レセプションに出席した際、北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長と握手し、言葉を交わしました。
これはニュース速報でテロップに流れるほどのでしたね。
その中で、安倍首相は北朝鮮による拉致問題や核・ミサイル開発を取り上げ、日本側の考えを伝え、前向きな対応を求めました。
これまでに北朝鮮側と対話の機会をもつことがありませんでした。
しかし、これを契機に和平的な対話を実現していくための一歩となったのではないでしょうか?
また同日、安倍首相は、韓国政府に北朝鮮への対応が「対話のための対話に意味がありません。」と発言しました。
つまり、韓国側に北朝鮮に対する圧力を最大限に高める必要性を言及したのです。
それに対し、韓国側は内政に関する問題であると答えていますが、然るべき対応を取るべきではないでしょうか?
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平昌オリンピックに参加した北朝鮮の今後の狙いは?

これまでに多くのメディアで報じられている通り、現在北朝鮮は国際的な経済制裁を受け、経済的にも非常に厳しい状況下にあります。
コレは確かですね。
さらに、昨年12月に行われた米韓による合同軍事演習や、安保理制裁決議により更なる圧力を北朝鮮にかける動きが強まっています。
北朝鮮はそれらの国際的な圧力を弛緩する糸口として、平昌オリンピック参加に乗り出したと考えても良いでしょう。
平昌オリンピックへの合同参加や、韓国と北朝鮮の選手団が「統一旗」を掲げて入場することが合意されるなど、オリンピックへの参加表明に伴い、南北の交渉は一気に活性化しました。
コレは画期的なことでもあり、支持をしても良いでしょう。
しかし、北朝鮮の思惑通りであるべきではないはずです。
韓国政府の今後の姿勢と国際的な態度が試されるでしょうね。
というのも、2月10日北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は韓国の文在寅大統領に平壌での会談を要請しています。
それに対し、韓国側は「適切な環境を整えて実現させよう」と応じたことを明らかにしています。
もし、平壌での首脳会談が実現した場合、南北関係の改善を示唆する可能性があるでしょう。
しかし一方で、アメリカ政府は北朝鮮に対し、核開発をあきらめるよう最大限の圧力をかけているのも事実です。
そんな中、韓国側が譲歩的立場をとることは米韓同盟にひびが入る可能性はあります。
韓国は同盟国であるアメリカが不信感を募らせることのないよう慎重に対応を検討する必要があるのではないでしょうか?
まとめ
平昌オリンピックに北朝鮮が参加した理由は何なのか?
また、なぜ韓国は参加を受け入れたのかについて紹介してきました。
同盟国であるアメリカの様子を伺いながら金正恩委員長が動いているのは確実でしょう。
ですから、今後の韓国政府の動向に注目が集まります。
せっかく統一旗で南北融和のキッカケがオリンピックで出来ました。
北朝鮮の本当の狙いや真相を見極めて、身長な対応をしてもらいたいですね。